先日、知り合いから「中古の家を買ったのでリフォームしたい」と連絡があり、打合せの後早速工事に取り掛かりました。耐震補強をするため床板を剥がしていくと、大変な事になっているのが分りました。
この家は以前に改装工事をしたようで、床板の上に柱が建っていました。間取りの変更をした時に、二階の梁を受ける柱を抜いて、90㎝移動したのです。その時に、土台に柱を建てるのではなく、不安定な床板の上に載せてしまったのです。巾木で周りを化粧してあるので、仕上がってからでは分りません。
本来柱は、基礎の上に土台を敷いてその上に建てるようになっています。しかしこの家は基礎・土台と繋がっていない部分に、柱だけ宙に浮くようなかたちで床板の上に載っていたのです。床板が二重になっていたため、なんとか持ち応えていたようです。簡単に柱を抜いてしまうのも問題ですが、床板に柱を載せるのは問題外です。本職(プロ)とは、やって良い事とやってはいけない事の区別(判断)がきちんとできる職人(設計・監理を含め)を言います。家を建てたり改装をしたりする時に、お客様に「できる・できない」をはっきりと伝えられるプロが少なくなりました。