車やパソコンの性能は、排気量の大きさやメモリーまた装備によって簡単に比較する事が出来ます。家の性能は大きさや階高で決まる訳ではありません。そこに住む人が快適で気持ち良く暮らせる事が大事なのですが、それでは具体的にどんな家なのでしょうか。これが難しいのです。
私は人間の持つ五感の全てを使って感じる、気持ちのいい空間を作り出している事が条件だと思っています。細かく仕切られた部屋で、エアコンの吹き出し口から出る空気を肌で受け、合板ベニヤやビニールクロスの匂いを嗅ぎながら暮らすのでは快適とは言えません。ましてや寒い時期、洗面所やトイレ・風呂場の寒さがこたえる様な環境は、性能と言うより劣悪な環境だと思います。
オール電化が声高に騒がれ未来の暮し方の様に宣伝されていますが原子力発電に頼る暮し方は間違いだと思います。電気でなければ出来ない事(例えば照明)と電気でなくても出来る事(お湯を沸かす・暖房する)を使い分けて暮す事が大事なのです。
家の性能はそこに住む人の心も豊かな気持ちにさせてくれるようなものでなければならないと思います。色や形デザインにばかり気を取られて家の性能を高めることを忘れてはいませんか。