値段は正直シリーズ 左官編
昔ながらの住宅の壁は殆どが土壁です。細い竹、若しくは細く割いた竹を組合せ、細く編んだ荒縄を巻き付けた下地に、土と3㎝位に切った藁を水で良く掻き混ぜた泥を塗っていました。
人目につかない場所は土壁のままの場合もあり、人の動きのある所は漆喰で仕上げたりしていました。土壁や漆喰は断熱効果・調湿効果が高いので建築的には非常に優れており、押し入れや蔵等の通気の悪い所の壁に使われます。漆喰は防水効果もあり見た目も美しいので、神社・仏閣・お城等に塗られています。
現在土壁は手間が掛かるので敬遠され、石膏を型にはめて作られたボードが下地に使われています。仕上げにビニールクロスを貼るか、調合された既製品の漆喰をぬるか、消石灰とスサ(海藻)と朔を現場で調合して発酵させた昔ながらの漆喰を塗るかで費用が変わり、空調効果にも差が出ます。珪藻土も似たような効果がありますが、塗って固まった時点が完成です。漆喰は塗って乾いてから約100年かけて反応し固まり続けます。その間家人の健康を暖かく見守り続けるのです。